ECとは電子商取引(electronic commerce)のことであり、越境ECはインターネット販売サイトによる国境を越えた国際的電子商取引をさす。国内向けのインターネット販売サイトとは異なり、海外での販売を主たる目的としているため、英語や中国語といった外国語による販売サイトとなっている。海外に出店することなく低コストで海外市場を狙えるため、インターネットの普及に伴って急速に注目されつつある。とりわけ、海外進出による販売拡大を目指す中小企業にとって有望な販売ルートとなる。ただし、物流や決済方法などにおいて、販売先の状況を確認しておく必要があり、国に合わせたリスク対応が求められる。越境ECが普及することにより、日本の優れた製品が海外で認知、販売されると、日本への観光つまりインバウンドへの波及効果も考えられる。しかし、近年では悪質業者による類似品や模倣品の販売も増加してきており、自社製品の真正性をいかにして守るかといった課題が浮上している。