自社製品を潜在顧客のマインド内に位置づけること。マーケティングの基本枠組みとして知られているSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)のPにあたる。アメリカのコンサルタントであるアル・ライズとジャック・トラウトの書籍『ポジショニング』(1987年、電通)によって、マーケティング領域に普及した。同じ製品であっても、当該製品のどの特徴を強調するのかによって、潜在顧客の受け取り方は大きく異なる。自動車で考えてみよう。自動車の多くは、安全性、経済性、先進性、審美性、耐久性など、いくつかの訴求点を有している。そうした訴求点の何に注目して潜在顧客に売り込むかで、同じ自動車でも見え方は異なる。ボルボは長年にわたり、安全性を訴求してきた。一般に、潜在顧客にインパクトを与え、効率の良いマーケティングを展開するためには、一つもしくは少数の特徴に絞り込む必要があるといわれている。