非在来型石油の一つで、ビチューメンという重質の油が含まれた砂岩。粘性が高いタール状で、タールサンドとも呼ばれ、主な産地はカナダのアルバータ州北部の森林地帯である。なお、ベネズエラのオリノコ地方で産出されるオリノコタールも性質的にはオイルサンドと同様であるが、採掘方法などが異なるために、オイルサンドとは分けて扱われることが多い。オイルサンドやオリノコタールの埋蔵量を考慮に入れると、2012年の統計ではサウジアラビアを抜いてベネズエラが世界1位に、2位のサウジアラビアに続いてカナダが3位となる。石油代替資源として注目を集めており、日本企業も投資を行っている。比較的地表近くの浅い地層に存在するために、採掘コストは低く抑えられる一方、オイルサンドに10%程度含まれる石油成分を回収するために、大量の水とエネルギーを消費する。そのため、二酸化炭素の排出増加のみならず、窒素酸化物や二酸化硫黄による大気汚染、処理後の排水による汚染など、深刻な環境問題が複数指摘されている。