福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力規制委員会が新たに定めた基準。2013年7月8日に施行された改正原子炉等規制法により新基準が適用されることとなり、電力各社の原子力発電所を再稼働させるにあたっては、適合性審査を受けることが必要となった。従来の基準は重大事故(シビアアクシデント)を防止するための設計基準であったのに対し、新基準は従来の設計基準をさらに強化するとともに、重大事故やテロが発生した場合に対処するための基準が新設されている。耐震・耐津波性能では、津波対策の大幅な強化、地盤のずれや変形に対する基準の明確化、活断層の認定基準の明示がなされた。自然現象では、火山・竜巻・森林火災に対する考慮が新設された。また、自然現象以外で発電所の安全機能を損なう事象として、従来の停電や火災に加えて内部溢水(いっすい)への考慮が新設された。さらに、炉心損傷防止対策、格納容器破損防止対策、放射性物質の拡散抑制対策が重大事故対策として、また、航空機衝突への対応がテロ対策として、それぞれ新設された。