ある地域で小売業が成立するために必要な顧客を確保できないほど店舗数や売場面積が過剰な状態のこと。一般に百貨店は商圏人口が100万人以上、総合スーパーは12万~15万人、スーパーマーケットは3万5000人以上ないと成立しないと言われるが、1990年代に大規模小売店舗法(大店法)の規制緩和を背景に大型店が大量出店し、オーバーストア状態に陥る地域が急増した。この現象は商業地価の低さなどから大型店の開発が進んだ地方においてとりわけ激しい。他業態に比して業績が好調な専門店の出店ペースの加速化がこれに拍車をかけた。また大型店の24時間化など営業時間面でのオーバーストア現象も顕著である。競合の激化が売上高減少をもたらし、それをカバーするための新規出店が更なる競合を引き起こすという悪循環に陥り、業績悪化が加速した。