セルフサービス方式で加工食品、精肉、鮮魚、野菜、乳製品などを販売するワンストップショッピング(1度に1カ所で必要な買い物を済ませること)型の食品小売業。食品スーパー。世界恐慌下の1930年にM.カレンがニューヨーク郊外に開いたキング・カレンが世界最初とされる。日本では50年代末に登場、60年代から70年代前半にかけて食品のほかに衣料品や日用雑貨、耐久財まで日常必需品を幅広く扱う総合スーパー(GMS 量販店)が発達し、ダイエー、イトーヨーカ堂、ジャスコ(現イオン)など全国規模のチェーンストアが育った。その後、冷凍設備その他の必要な機材施設や情報システムなどのハードが整った70年代後半には、欧米型のスーパーマーケットのローカルチェーンが発達した。百貨店と並び日本の小売業のリーダーだった総合スーパーは、総合性が裏目に出て業績が低迷、専門店やコンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター、カテゴリーキラーなどに押されている。総合スーパーは営業時間延長、海外商品調達やPB(自社ブランド)の強化、ショッピングセンター型大型店舗の開発などさまざまな方策で他店との差別化に努めているが、成果は上がっていない。欧米では食品小売りと非食品小売りが分かれて発展してきたが、90年代以降は非食品の品揃えを拡充したスーパーストアが成長したり、非食品小売業であるディスカウントストアが食品を扱うスーパーセンターを展開するなど、総合化への動きが目立つ。