低コスト型の効率的な店舗運営のこと。バブル経済崩壊後の低価格志向の高まりや消費の伸び悩み、店舗間の競争の激化を背景に、大手小売業をはじめ小売店の多くが、低価格で販売しても、あるいは売り上げが伸びなくても十分な利益が確保できるように、ローコスト・オペレーションにより損益分岐点を低く抑える努力を続けている。店舗作業の標準化、レイバースケジューリング・システムの採用などによる人時生産性(従業員1人が1時間あたりにあげる粗利益)の向上、パートタイマー比率の改善などによる人件費の削減、店舗立地の見直しや店舗の標準化、内外装の簡素化による設備投資の圧縮、POSシステムを用いた単品管理の徹底、QR(クイックレスポンス)、ECRなどによる売れた商品の迅速な補充による在庫の圧縮、などがその具体的な内容である。1970年代に増加したホームセンターやディスカウントストアは、ローコスト・オペレーションによって実現した低価格を武器に急成長したが、現在では、売り上げが伸び悩んでいる専門店や百貨店などにもローコスト・オペレーション化を重要な経営課題としている企業が少なくない。