公共流通網の弱体化に伴い、食料品などの日常の買い物が困難な状態におかれている人々のこと。買い物弱者とも言われている。買い物難民が生まれる背景には、少子高齢化や過疎化等の社会情勢の大きな変化による小売業や交通機関、医療・福祉といった、日常生活に不可欠な生活インフラの弱体化がある。経済産業省によれば日本では約600万人と推計されており、地方の過疎地だけではなく、都市部の高齢者の住居施設(老人ホーム)をはじめ、色々な場所で発生している。買い物難民が生まれた背景は、まず地域の小売店舗が減っていることがある。郊外人口の増加により、大型スーパーマーケットの郊外出店が増加する一方で、都市部人口は減少や高齢化が進展したため、中心市街地の小売業の業績が悪化、廃業が進んだ。次に、地域消費者の小売店舗までのアクセスにかかわる、交通手段の問題によりおこるものがある。モータリゼーションの進展に伴い、バスなどの公共交通手段が減少したり廃止されたりすることで、自家用車を持たない消費者や高齢者等の買い物のためのアクセス手段が無くなった。さらに、大都市部で増加しているのは、大規模な郊外型マンションの高齢者住民や独居老人世帯の問題で、高齢者に多い体力的な問題などで、2階以上の階段の上り下りや外出が困難になり、買い物ができ難くなる事例がある。