食品表示事項が規定される法律によって異なり、整合性が取れない問題。食品表示とは、食品の安全性の確保や取引の公正、国民の栄養の改善・健康の増進等を図る目的で食品に表示される事項を言い、食品衛生法、JAS法、景品表示法、計量法、健康増進法、薬事法の6法により規定される。表示対象は容器包装に記され、小売店に陳列して販売される食品は、食品衛生法・JAS法により表示が必要となる。ただし、6種類の法律間での整合性が取れていないケースが散見されている。例えば、ハンバーガーショップなど飲食店で、ハンバーガー類のようにその場で製造・販売されれば、製造者側がその場で情報提供できる立場にあるので、表示は必要ない。しかし、スーパーマーケットのバックヤードで製造される総菜類は、その場での情報提供が可能であるのでJAS法では表示義務を課されないが、食品衛生法では製造・管理した内容を明確にするために表示を義務付けている。また、基本的な表示を指導する厚生労働省(実施部局は保健所)及び農林水産省(実施部局は地方農政局など、農林水産消費安全技術センター)内でも、法律の解釈に微妙な差異が出ている。なお、2009年10月の消費者庁の発足により、食品表示の運用所管は一元化された。