雇用期間の定めが無いものの、職務内容や勤務地などを限定された契約形態の正社員を言う。パート・アルバイトなどの非正規社員の多くが、契約により雇用期間が定められているのに対比して、限定正社員は正社員と同様に原則定年まで働くことができるもので、正社員と非正規社員の中間的な特性の雇用形態をいう。2013年4月施行の改正労働契約法により、同一職場で5年を越えて働く契約社員やパートタイマーが希望すると無期雇用に転換することが契機となって、広く普及してきたと考えられる。13年6月に閣議決定した規制改革実施計画には、「正規・非正規の2極化構造の是正」「ライフスタイルに応じた多様な生き方の創造」などの観点から、限定正社員制度の普及促進が盛り込まれた。厚生労働省の11年度調査によれば、調査対象の過半数の企業で限定正社員制度を導入しており、正社員に占める割合は3分の1程度にまでなっている。今回の動きは、これを国が後押しするもので、社会問題化している非正規社員を減らすことが可能になると同時に、企業側の人材確保を容易にし、経済の活性化に貢献することを期待している。職種別では、運輸業、医療・福祉、銀行、小売業などの業務で多くなっている。