企業側が経営不振などの理由で、解雇を想定する正社員が自主的に退職するように仕向ける部署などを総称して言う。「事業・人材強化センター」や「キャリア開発課」等の名称を掲げても、デスクやパソコン等がない、電話は外部との連絡が取れない内線のみ、主たる業務は他部署の応援、応援要請が無ければ業務終了時間まで待機など、配属された社員は社内失業状態におかれることで、自主的に退職を決意させられる。そのために、社内的には配属されたら二度と戻れないと見なされ、追い出し部屋と呼ばれている。大企業にこうした追い出し部屋が存在しているとの新聞報道を受けて、厚生労働省による聞き取り調査が実施されたが、2013年1月29日の発表では、法律違反行為は確認できなかったとされた。追い出し部屋による自主退職の背景には、労働基準法に「解雇自由の原則」が明文化されているものの、解雇整理の4要件(人員整理の必要性、解雇回避努力の履行、対象者人選の合理性、手続きの妥当性)など、企業の業績悪化を理由とした整理解雇に厳しい制限が課せられているため、との指摘がある。