中国人観光客が高額商品や日用品などの様々な商品を、一度に大量に購買する(買いあさる)様を、メディアが「爆買い」として取り上げたことに由来する俗語である。なかでも、中国からの訪日客の主要な買い上げ商品は、電気炊飯器や美容パック、高額化粧水などの美容商品全般に関してで、同一品を複数品目同時購入している。2015年度では「温水洗浄便座」が主要な買い上げ商品になった。大量購入の背景として、訪日客数増加と為替レートの2点が指摘できる。前者は、15年2月時点の訪日外国人客数が、前年同月比57.6%増の138万7000人、とくに旧正月が重なった中国からの訪日客数は、35万9000人と単月・単一国での最高数(日本政府観光局発表)を数えるまでになっている。後者は、人民元=円の為替レートが13年と15年の比較で、約30%円安・人民元高になり、これは中国の訪日客の視点に立てば日本の大幅な物価低下を意味しており、消費を押し上げていると理解できる。その結果、訪日客を主要顧客とした百貨店やディスカント型量販店を主体とした小売業、観光地立地型のホテルなどの業績が好調で、注目を集めている。