インバウンドは、マーケティングやBtoBのビジネス分野で使用される用語で、「入ってくる」、「内向きの」という意味の形容詞である。日本の旅行・宿泊業界や流通業界では、外国人旅行者を自国へ誘致することを意味し、日本を視点にすると、海外からの訪日観光客を意味している。2014年の日本経済新聞社・日経MJヒット商品番付において、国内消費を支える存在の一つになった訪日外国人による「インバウンド消費」が東の横綱に選出されて注目された。背景には人口構造の変化に伴い、国内における消費金額が停滞化する一方で、訪日旅行客の消費動向が大変旺盛であることが、自治体や企業にとって注目に値するものになっていることがあげられる。特に、2020年東京オリンピックの開催決定を契機として、訪日旅行者が急増していることを踏まえ、政府も新たな施策の展開に取り組んでいる。07年に成立した観光立国推進基本法による観光立国推進計画を、観光庁の訪日プロモーション(ビジットジャパン事業)へと展開していることもあり、インバウンド消費が注目されている背景にもなっている。