旅客自動車運送事業者が、バスやタクシーなど人間を輸送する乗り物で荷物を運送したり、貨物自動車運送事業者が、貨物を運送するトラック等を用いて人間を運ぶ方式。現実的には、後者は安全性の面からハードルが高く、前者の意味合いが強い。旅客・貨物自動車運送事業者を取り巻く経営環境は、人口減少と高齢化が同時進行するなかで、従業員確保の困難性が強まっている状況にある。それらの経営環境を考えると、輸配送需要量の減少、なかでも過疎地域などで人流・物流サービスの持続性確保が、業界としての経営課題になっている。国土交通省は、自動車運送事業に関し許可制としており、旅客自動車運送事業者は旅客の運送に、貨物自動車運送事業者は貨物の運送に特化してきた。同省では、それら事業の制約について、2017年8月、自動車局長の通達により、両事業の許可を取得した場合に、乗り合いバスは全国展開が、貸切バス、タクシー、トラックは過疎地域での展開が、一定の条件のもとで人流・物流の「かけもち」を可能とした。これらの行政による規制緩和の動きは、旅客・貨物自動車運送事業の生産性向上を目指した取り組みの一環である。