環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、21の交渉分野のうち大半は妥結に向かっているが、特許権など最先端技術を保有する先進国側と、それを利用したい新興国側との対立が最も問題となる知的財産権の分野は依然として難航している。著作権の保護期間は作者の死後70年で決着を迎えそうだが、新薬のデータ保護期間を巡る対立は深刻である。アメリカなど製薬会社を数多く抱える先進国は新薬を独占的に販売できるデータ保護期間の長期化を望む一方、後発医薬品(ジェネリック医薬品)を製造・販売したい新興国はこの期間の短縮を求めている。