1934年に制定された不正競争防止法はこれまで幾度となく改正されてきたが、2015年7月10日に公布された法律第54号による改正は特に営業秘密の保護強化が図られる内容となった。施行日は16年1月1日。ただし、除斥期間の延長に関する部分のみ15年7月10日公布、即日施行。企業の知財戦略として一定期間を過ぎると公開される特許法による保護ではなく、たとえ特許要件を満たす場合であっても秘匿化することにより自社の優位性を保ちたいという企業側のニーズや、営業秘密漏えいリスクを抑えたいという声が反映されたものといえる。民事上・刑事上の保護範囲の拡大や未遂罪の導入、営業秘密侵害罪の非親告罪化や罰金額の引上げ等の罰則強化規定により、営業秘密の保護を図るとともに、営業秘密漏えいに対する抑止効果が期待される。