国家を、特に対外関係において代表する資格のある国家の最高機関。かつては君主が元首であったが、今日では大統領や合議体(またはその議長)が元首になっている。わが国の場合、明治憲法は天皇を「国の元首」としていたが、現行憲法には元首の規定はない。実質的機能を重視して内閣(または首相)を元首とする説、象徴天皇を元首とする説、さらには元首は不在とする説もある。現行憲法では天皇の国政機能は否定されているから、象徴天皇が元首であるとする説には、天皇の権限を復活しようとする意図が感じられ、新憲法の精神に反するという非難が寄せられることになる。