代表は具体的な歴史的状況の中で形成された観念であって、一般的に論じることはきわめて困難である。中世ヨーロッパの身分制議会においては、議員は選挙区の意思を議会に伝えるだけのメッセンジャーであり、選挙区の委託命令に反して行動した場合には代理人の資格を失った。17世紀の市民革命を通じて主権者の地位を確立したイギリス議会は、メッセンジャーの集合体から脱皮した国民代表の観念を最も明確に打ち出した。1774年に、エドマンド・バークがブリストル市民に対する演説で、「議員は、各選挙区から議会に送られた大使ではなく…それぞれが国民的利益と信じるものに従って行動すべきである」と述べたのがその有名な例である。ここでは、国民的利益の一体性という観念を前提として代表が成立しているが、やがて代表は、選挙で当選したという形式的な資格に次第に落ち着いていく。