重要な政治的決定を合議体の審議を通じて行う制度。近代においては、国家の最高意思を、議会が主として立法を通じて表明する政治形態を議会政治(parliamentary government)とよんでいる。明治憲法下における日本の議会は、君主(天皇)が国の最高意思を表明するのを協賛するという立場に立たされており、イギリスの立憲君主制との差異に注目して外見的立憲制ともよばれていたのにならっていえば、当時の議会制を外見的議会制とよんでもよいであろう。厳密にいえば、アメリカの大統領制は、大統領に立法権がないために議会政治ではないということになるが、特に20世紀に入って軍事、外交、内政にわたる大統領の広範な指導力に議会が種々の方法で参与しているため、ここにも議会政治の基本原理が貫かれているといえる。なお、議会政治の基本原理としては、(1)国民代表の原理、(2)審議の原理、(3)行政監督の原理、の三つを挙げることができる。