功労、財産、家柄などによって特権を認められた少数者が支配する政体。プラトンは最も穏健な政体であるとしたが、アリストテレスは必然的に寡頭制(oligarchy)に堕落するとした。近代においては旧体制下のフランス貴族のように、特権をむさぼる社会の寄生者と見るイメージと、名誉革命以降のイギリスのように自ら支配の義務を負った貴族(ノブレス・オブリジェnoblesse oblig 仏)としてその政治的責任感をたたえられるイメージとが共存している。「暮らしは低くとも精神の貴族であれ」などといわれるのは後者のイメージに属しており、かつての日本の士族の理想像もこれに近い。