選挙の研究者、蒲島郁夫(東大教授)が考案した言葉。日本の有権者の中で、「基本的に自民党政権を望んでいるが、政局は与野党伯仲がよいと考えて投票する」有権者のこと。「2プラス1政党制」のイギリスでは、二大政党の労働党、保守党いずれかの支持者が、その支持政党をいわば「こらしめる」ために、あるいは反対する政党の力を減殺するために第三党の自民党に投票する人々を戦術的投票者、タクティカル・ボーターとよぶが、バッファー・プレーヤーは日本版の戦術的投票者である。二大政党制による与野党間の明確な政権交代を戦後まだ一度も経験していないために、与野党の交代よりもむしろ「伯仲」を望む。自民党が多数にあぐらをかくのを牽制するように働くことから、蒲島は「牽制的投票者」と訳している。そのため二大政党間の対立を緩和する「バッファー(緩衝器)」として働くのである。