議会を一つの議院によって構成する制度。二院制が二院間に抑制、均衡の関係を作り出そうとするのに対して、一院制はもし議会に反映される国民の意思が国家の最高意思ならば他の議院により抑制すべきではないとする理論的根拠によっている。たとえばイギリスでは、民主的な下院が特権的・保守的な上院に対して優越的地位を確保するには2世紀に近い闘争があったが、この国でも民主主義者は一院制を主張している。一院制を採る国は、かつての東ヨーロッパの人民民主主義諸国やアフリカに比較的多く、第二次大戦後はニュージーランド、デンマーク、スウェーデンの諸国も一院制を採用している。一院制には多数党の横暴、代表制の不完全さなどの危険もあり、二院制、一院制の優劣は一概に論じることはできない。