政治を単に権力の動態としてではなく、権力の背後にある価値体系(文化)の作用として見る政治学の方法。文化人類学の影響を受けて、開発途上国の研究などに重宝されたが、現在では、たとえば日米間の摩擦を説明するに当たって両国文化の差異に言及する場合のように、現実政治の論点にもなっている。また、投票してもらったならば適当なお礼をして当然というふうに、買収を文化の名によって正当化するような議論も、日本の政治改革論議の中から出てきている。国際政治の上では、米ソ冷戦の終結以降、国際対立はキリスト教圏、儒教圏、イスラム教圏のような「文明間の衝突」になるであろうとする見解も出現している。