最大限の能率と成員の自発的参加を結合しようとする社会形態をいう。管理という言葉はかつては労務管理、人事管理のような権力的な語感を帯びていたが、1960年代以降、きわめてソフトな支配と経営の形態を指すものとして用いられるようになった。政府、民間企業を問わず、巨大組織が発展すると官僚制化が進むことになるが、同時に、それに伴う権限の集中と画一化は成員の中に疎外感、士気の減退を生じるという新たな問題が発生してくる。管理社会は、いわゆる「やる気」を起こさせることによって官僚制の病理を克服しようとするが、管理の目的を問わずひたすら一体化が求められるため、管理に対する抵抗は、落ちこぼれ、非行、ノイローゼなどとして疎外されていく。日本的な管理技術が、世界に冠たるものという自負が生まれると同時に、管理ファシズム、テクノファシズムという批判も生じている。