一つの争点に対する賛否をめぐって政治運動を起こし、選挙の結果に大きな影響を与えたり政府に圧力を加えたりする政治の形態。ワン・アイテム・ポリティックス(one item politics単一論点の政治)ともよばれ、過去20年のアメリカに顕著に見られた。ベトナム反戦、人種差別撤廃、福祉の充実、男女平等などの論点をめぐってもっぱら革新派の運動として起こったが、それに対抗して保守派も家庭の復活(妻や母としての女性の立場を強調して男女平等運動に対抗している)、妊娠中絶反対、学校での祈りの強制などの論点を押し出すようになった。政党や利益団体による政治がいわば力の均衡状態を生み出し、行き詰まりに陥っている事態に対する反動として生まれてきた。日本でも古くは憲法改正、新しくは消費税や郵政民営化をめぐって単一争点の選挙が行われたが、有権者の選択はどの政党を政権担当の政党として選ぶかの選択に限られていた。