2005年4月、中国の広州から北京、上海へともっぱらインターネット通信で呼びかけあって学生と若年層成人による反日デモが続発、日本大使館・領事館や日本料理店などに対して投石する事件が発生した。中国の警察はデモの鎮静化に積極的でなかったといわれているが、参加者は「愛国無罪」を唱えて暴動を続けた。1919年の五・四運動、89年の天安門広場事件でも同じスローガンが唱えられたという。近代国民国家の成立以来、愛国は日常の善悪を超えた最高の善とされるようになり、近代市民革命の革命家たちの多くは「愛国者」と自称した。英語では、「正しかろうと間違っていようとわが国」(Right or wrong, my country)という成句が生まれた。逆に、最初の英語辞典の編集者S.ジョンソンは、愛国心の定義として「悪党どもの最後の逃げ口上」という有名な言葉を残した。