鳩山由紀夫政権の予算編成方針は、各省の予算要求額にあらかじめ「天井」を設ける従来のシーリング(概算要求基準)方式から、閣僚が自ら予算要求を削る鳩山首相のいう「査定大臣」方式に転換することが閣議決定された。これまで大臣は担当する省の代理人となり、自分の省に大きな予算を獲得してくるのが「よい」大臣とされていたのが、逆転したのである。これまで削減を口にするだけで族議員からたたかれてきたのを思えば、大きな転換であった。前原誠司国土交通大臣は、前年度比14%という「史上最大の公共事業削減」の路線を打ち出した。しかし査定大臣に徹したのは少数派で、農林水産、文部科学など7省は前年度当初を上回る要求大臣になり、予算削減の舞台は「事業仕分け」に移ることになった。