2009年9月に成立した鳩山政権は9カ月、その後を受けた菅政権は14カ月の短命政権に終わった。11年9月に成立した野田政権は13年夏までに総選挙を迎えることになる。そして鳩山政権、菅政権が掲げた民主党独自の政策は次々に棚上げされ、先の自民・公明連立政権の政策とどこが違うのか、有権者は判断に苦しんでいる。世論調査における民主党政権の支持率は、新政権の発足時にはいくらか高くなるものの間もなく低下している。しかし、その低下に対応して、自民党やその他の野党の支持率が高くなってはいない。二大政党は存在しているが、政党間の差異はますますあいまいになり、国民の選択する権利はかえって小さくなっているようである。しかし翻って見るならば、先の自民党主流政権の末期においても、小泉政権以降の三つの政権はいずれも短命であった。自民党主流政権下の安倍政権(06.9.26~07.9.26)、福田政権(07.9.26~08.9.24)、麻生政権(08.9.24~09.9.16)の三政権と、民主党政権下の鳩山政権(09.9.16~10.6.8)、菅政権(10.6.8~11.9.2)、そして13年夏には衆議院の任期満了を迎える野田政権の六つの短期政権に共通する要因があるのであろうか。一つには、自民党主流政権下の07年と、菅政権下の10年に参議院選挙があり、いずれも与党の敗北という結果に終わり、与党が参院での多数を失う、いわゆる「ねじれ国会」の状態になったこと。二つには、自民党政権と民主党政権で与党が政権についているときにも、野党の時と同じ手続きで党首選挙(もちろん与党においては首相である)が行われたこと。この二つの要因が重なって、政治の「政局化」が慢性化したことにあった。