国外に在住し、経済活動などに従事している人びとの選挙権。国際化時代の発展によって海外在留邦人が1997年10月1日の時点で、在外公館に届け出られた永住者と3カ月以上の滞在者は、78万2568人に達し、そのうち7割以上が有権者とみられたことから、これらの在留邦人に選挙権行使の道を開くべきだとする声が高まり、この事態を受けて、政府は、第140国会(97年)に、(1)当分の間、対象を衆参比例代表選挙に限る、(2)投票は、原則として在外公館で行う、などを骨子とする「在外選挙法案」を提出、この法案は、第142国会(98年)で成立し、2000年6月総選挙で在外選挙が初めて実施され、さらに、03年の公職選挙法改正により、在外公館投票か郵便投票かは、選挙人の選択とすることに改められた。この中で、最高裁は、05年9月に在外選挙権についての制限は違憲とする判決を下し、これを受けた06年6月の公職選挙法改正によって、07年以降の衆院総選挙および参院通常選挙から在外選挙権についての制限は撤廃されることになった。