国の全域を議員の総定数に等しい数の選挙区に分割する一人一区制。大選挙区制に対する制度で、長所としては、(1)二大政党制を実現しやすい、(2)候補者をよく知ったうえで投票ができる、(3)候補者の乱立が防止される、(4)選挙費用が縮減できる、などが挙げられるが、半面、(1)大量の死票が出る、(2)各地域の個別的利益が優先され、国全体の視野に立った意見が政治に反映されにくい、(3)選挙に買収などの不正行為が多くなる、などの欠点も指摘されている。小選挙区制を採用している例は、アメリカの連邦下院議員選挙やイギリス下院議員選挙などがあり、また、わが国で1994年の公職選挙法改正によって衆議院議員選挙のために導入された小選挙区比例代表並立制のもとでは、現在総定数480のうち300が小選挙区から選出される。