選挙権拡張の歴史は一人一票から一票一価(等価値)への発展であり、一票の価値をほぼ等しくする方向で選挙区を区画するのが最近の民主主義国の傾向で、小選挙区制のもとではこの作業は、選挙区の再区画という手続きで行われるが、かつてのわが国の中選挙区制のもとでは、選挙区ごとの議員定数の再配分の手続きを不可欠とした。これが定数是正で、第二次大戦後のわが国では社会・経済の発展に刺激された都市化の進展による大規模な人口移動を背景に、1964年、75年、86年、92年の4度にわたって衆院選挙区の定数是正が行われた。その後94年に衆院選挙に小選挙区比例代表並立制が導入された結果、衆院選挙区に関しては、問題の重心は区割りに移っている。