国家公務員法は公務員に対して以下のような服務義務を課している。(1)職務専念義務＝すべての職員は「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行にあたっては全力を挙げてこれに専念しなければならない」とされ、「政府がなすべき責任を有する職務にのみ従事しなければならない」とされている。(2)憲法および法令遵守義務＝すべての公務員は「憲法尊重・擁護の義務」を負い、また行政が勝手気ままに行われて国民の権利・利益を侵害しないように法令を遵守しなければならない。(3)上司の職務上の命令に服従する義務＝組織的かつ体系的に行政運営を行い、また公平・適正に公務を遂行するため上司の職務命令（法律上も事実上も実行可能なものに限る）にしたがわなければならない。(4)守秘義務＝職務上の秘密や職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。職務の性質上、個人のプライバシーや公益と深くかかわることが多いからである。守秘義務違反には罰則が定められている。公務員が法令による証人や鑑定人として職務上の秘密を述べる場合には、任命権者の許可を必要とすることになっている。