国家公務員法によって設けられ、内閣の所轄の下に置かれているが独立性の強い合議制の機関。人事官3人をもって組織されるが、事務総局が置かれている。人事官は両議院の同意を経て内閣が任命し、うち1人が総裁となる。人事官の任命に当たっては、そのうち2人が同一政党に属したり、または同一の大学学部の出身であることは禁じられている。人事院の仕事は「国家公務員の給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告、職階制、試験及び任免、給与、研修、分限、懲戒、苦情の処理などのほか職員に関する人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護等に関する事務」である。このため人事院は、規則を制定し指令を発するなどの準立法権、不利益処分の審査などの半司法権、さらに給与の勧告権など広範な権限をもっている。また各府省が毎年給与制度上必要な級別定数の認定要求を出してくるが、この審査に当たるのも人事院(給与局)である。特に人事院の給与勧告や勤務条件に関する行政措置要求は、労働基本権の制限されている非現業の一般の公務員の利益を保護するための代償措置として重要である。