ある職位が空くと、それに伴ってかなりの数の昇進(上への移動)と配置転換(横への移動)が同時に行われる、わが国の役所独特の人的再配置をいう。人事管理システムにおける役所内労働力の需給調整である。人事異動は、4月や7月などに定期的に行われるほか、高職位に勇退者が出たときなどにも行われる。他府省への出向(転任)も人事異動の一つ。府省内には職制上ピラミッド型の序列関係がある。また同一職名であっても、複数の局部課の間には非公式に序列があり、その順序に従って昇任していく。しかも同一府省に生涯所属する終身雇用が原則になっているため、特に昇任人事に対する公務員の関心は強い。一般に同一役職期間は短く、特に幹部職員の異動は激しく、同一ポストはせいぜい2年ほど。国家公務員は地方公務員と異なり辞令一つで地方の出先機関への異動もある。