現行では、各府省に1人ずつ必置の職(計12人)で、一般職公務員が府省内でたどり着く最高位。1886年、各省庁の機能を規定した各省官制による「次官」が始まりで、大臣の政務の代理人でありつつ事務方の長として存在感を強めてきた。大臣を助け府省の事務について調整を行い、府省内の各部局を監督することを職務としている。事務次官には当該省内の枢要な局長・官房長などの要職を昇進してきた者が就任するのが通例で、任期の定めはないが、1~2年の在任が慣例。事務次官などの省庁幹部人事は、通例、大臣と官邸双方の意向が反映され、大臣が現職事務次官と相談して大筋の人事を決め、正副官房長官による人事検討会議(官房長官主宰)の了承を得て閣議で承認することになっている。1998年6月の中央省庁等改革基本法によって、局長以上の人事については、それまでの「閣議了解」から「閣議承認」に切り替えられている。