各府省の所掌事務を分掌するため一定の地域を管轄区域として設けられている地方機関の総称。地方支分部局、施設等機関、外局の地方支分部局があり、おおむねブロック単位、都道府県単位、その他に区別され、2010年度末の国の行政機関の定員、約30万2300人のうち、出先機関では約21万1500人が働いている。地方整備局、地方農政局、法務局、税関、刑務所、検疫所、税務署、職業安定所など。地方分権改革推進委員会は、08年12月8日の「第2次勧告」で、「総人件費などでも定められた約7700人の人員削減を行うとともに、直轄国道や一級河川の地方への移管、農林統計等の農政関係の事務の見直しを中心に1万人程度を出先機関から地方に移す。さらに将来的には、国のハローワークや公共事業関係の職員の地方への移管を行うことなどにより、出先機関職員のうち、合計3万5000人程度の削減を目指すべき」と提言した。政府は、10年12月28日の閣議決定で、国の出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲すること等により、出先機関の原則廃止に向けた改革を進めるため、12 年通常国会に法案を提出し、準備期間を経て14年度中に事務・権限の移譲が行われることを目指すとしている。11年12月26日、地域主権戦略会議(議長・野田佳彦総理)は国の出先機関の地方移管に向けて、権限や財源の受け皿となる広域組織の設計方針を決めた。国土交通省からは、広域組織の「長」を首長と兼務することは認めず、都道府県の権限を広域組織に集約して国の関与を残す案が出ていた。方針は、広域組織の「長」を域内の首長が兼務することを認める一方、「事務・権限を持ち寄る」と記すにとどめ、国の関与も「個別の事務・権限ごとに柔軟に検討する」と結論を先送りした。