政府財政の執行に関する監視・検査を任務とする憲法上の合議制機関である。内閣に対して独立の地位を有し、毎年国の収支決算の検査を行い報告書を国会に提出する。その組織は、3人の検査官(両議院の同意を得て内閣が任命する同意人事)による検査官会議と事務総局である。法律上の任務と権限は、国の収入支出の決算に対する会計検査、会計経理の監督および適正化、決算の確認などである。各行政機関では、毎年、会計検査院の検査実施にそなえ待機する。会計検査院は、次の観点から検査を行っている。(1)決算の表示が予算執行等の財務の状況を正確に表現しているかという正確性の観点、(2)会計経理が予算、法律、政令等に従って適正に処理されているかという合規性の観点、(3)事務・事業の遂行及び予算の執行がより少ない費用で実施できないかという経済性の観点、(4)同じ費用でより大きな成果が得られないか、あるいは費用との対比で最大限の成果を得ているかという効率性の観点、(5)事務・事業の遂行及び予算の執行の結果が、所期の目的を達成しているか、また、効果を上げているかという有効性の観点、(6)その他会計検査上必要な観点。年一度行う国の財務・経理に関する調査報告である決算検査報告では、指摘事項のうちの不当事項件数とその金額を公表し、国の事業に無駄や不正を指摘している。