2009年9月16日、鳩山由紀夫政権初閣議後の閣僚懇談会では「政策の立案・調整・決定は、『政』が責任を持って行い、『官』は、職務遂行上把握した国民のニーズを踏まえ、『政』に対し、政策の基礎データや情報の提供、複数の選択肢の提示等、政策の立案・調整・決定を補佐する」と定められた。「官僚主導の政治」あるいは「官僚丸投げの政治」から政権党が責任を持つ「政治家主導の政治」への転換であった。しかし、菅直人新内閣が10年6月8日の閣議で決めた「基本方針」では、「政務三役と官僚は、それぞれの役割と責任の下、相互に緊密な情報共有、意思疎通を図り、一体となって、真の政治主導による政策運営に取り組む」として、「脱官僚」ではなく「官僚との連携」を強調した。「政治主導」が機能していないとの批判に対して、民主党の枝野幸男幹事長代理は、「与党がこんなに忙しいとは思わなかった。政治主導なんてうかつなことを言ったから大変になった。何より欲しいのは、ゆっくり考える時間と、ゆっくり相談する時間だ」(「読売新聞」10年11月14日)と釈明したと伝えられた。