第2次安倍改造内閣(2014年9月3日発足)で石破茂・自由民主党幹事長が地方創生・内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域担当)に就任し、9月5日、まち・ひと・しごと創生事務局本部が発足。人口減少抑制と地域活性化を目指す「まち・ひと・しごと創生法」が14年11月21日に成立した。この法律は、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、「国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営める地域社会の形成」(まち)、「地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保」(ひと)、「地域における魅力ある多様な就業の機会の創出」(しごと)を目的にしている。法律で「人口減少に歯止めをかける」ことを明言したのは初めてである。東京一極集中の是正は、これまで幾度も言われてきたが、それは、主として政治、行政、企業、情報、団体・業界などの諸活動の中枢管理機能の集中の是正であった。この法律は、「人口の過度の集中を是正する」というように人口に焦点を当てている点も新しい。この基本理念に沿って、同年12月27日、「まち・ひと・しごと創生」の「長期ビジョン」と「総合戦略」が閣議決定された。これを勘案して、都道府県と市町村は、地方の人口ビジョンと地域の実情に応じた目標と施策を入れた地方総合戦略を策定するよう努めることとなった。