国内の一定地域を基礎にし住民によって構成される自治体が、その地域の公共的事務を住民の負担と責任によって自主的に決定・処理すること。住民から選ばれた公務担当者によって運営されている。日本の場合、単一国家における地方自治なので、国法の制約を受けるが、中央政府とは別の独立した地方政府として自治体が自主的に運営できる権限をもつことと、住民参加を基本にした自治の実践が重要な要件とされている。
日本の自治体は、第二次大戦まで、中央政府から種々の監督を受け、その自主・自立性が制約されていた。戦後の改革で、住民自治を基本とした自治制度の仕組みに改められたが、実際には事務権限や財政の面で中央政府の関与や規制を受け、自主・自立の運営体制にはなっていなかった。そうした状態を改めるため、1999年に地方分権一括法を制定して、中央政府と自治体の関係を対等・協力関係に改める改革が行われた。今後、自治体には自己決定と自己責任に基づく地域の自治を個性的に創り出していく責任がある。