自治体が資金調達のために負担する債務をいい、その返済が一会計年度を超えて行われるもので、普通は政府や銀行などの金融機関から借り入れる。地方債を起こすことを起債とよび、自治体が地方債を発行してもよい事業を適債事業という。適債事業は交通・ガス等の公営企業や災害対策事業、学校・道路などの建設事業であるが、1970年代の中ごろ以降、一般財源の不足を補うための財源対策債も発行されている。地方債の発行は総務省または都道府県の許可が必要だったが、2006年度から協議制に移行した。起債するために都道府県は総務省と、市町村は都道府県と協議する。この協議が調った起債については政府資金が使える。調わないときは、自治体は議会に報告することによって自ら財源を調達して起債できる。したがって、起債をコントロールすることについて議会の役割は非常に重くなっている。都道府県および市町村がこれまでに発行した地方債の残高(普通会計分)は、11年度末で144兆2000億円となった。なお、この地方債残高と地方交付税特別会計の借入金残高33兆4000億円、公営企業債などを含む地方の債務残高は、12年度末で200兆4900億円程度とされている。