公共的な分野は政府の働きだけで支えられるのではなく、多様な社会の資源が投入されることによって成り立つという考え方。言葉自体は1990年代からあったが、2009年10月26日の鳩山由紀夫首相の所信表明演説で新政権のキーワード化された。その内容は「人と人が支え合い、役に立ち会う」、「人を支えるという役割を『官』といわれる人たちだけが担うのではなく」、さまざまな活動に「地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しよう」というものである。この考えを具体化するために、10年1月には「新しい公共」円卓会議(金子郁容座長)を設置、同会議は6月に「新しい公共」宣言を公表して、(1)国民が寄付をしやすくするための税制、(2)国や自治体による、従来型の補助金ではない新しい発想による事業活動支援、(3)ソーシャルキャピタルを育成するための効果的な財政支援や「投資」等の方策を提言した。これを受けて、同年10月に「新しい公共」推進会議(金子郁容座長)を設置し、いわゆるNPO寄付の税額控除制度などを提言した。