一般にワーキングプアとは、仕事には就いているものの低賃金を余儀なくされている労働者のことで、日本では生活保護の水準以下の収入しか得られない層をいう。こうした雇用条件の労働者が自治体などの公共サービスの現場に多数存在すること、あるいは公共事業等の請負、業務委託をうけた事業主に低賃金で雇用されている労働者など、公共部門の契約の方法がその原因をかたち作っている状態をいう。いわゆる「失われた10年」といわれる1990年代から国・自治体の財政状況が悪化し、小泉構造改革の断行という「安上がり行政」の推進策として、公共サービスのアウトソーシングや入札などの低価格競争を促した結果であるといわれている。