民主党のマニフェストには「ひも付き補助金の一括交付金化」があげられていた。この「一括交付金」を段階的に実現するため、2011年度予算で、各省の投資的経費3.3兆円のうち、まず総額1兆円とするが、11年度は都道府県分を対象に、「地域自主戦略交付金」の名で創設。5120億円を内閣府に一括計上した。国土交通省の社会資本整備交付金の一部、農林水産省の農山漁村地域整備交付金の一部、厚生労働省の水道施設整備費補助、文部科学省の学校施設環境改善交付金の一部など。10年暮れの全国知事会議で、片山善博総務相は、「いろいろ理想はあるが、これは進化させる制度と受け止めて欲しい。総理のリーダーシップで総額1兆円を超える金額とし、とりあえず来年度からスタートする」(「自治日報」11年1月7日)と述べた。併せて各都道府県に、「県版一括交付金」をつくるよう要請した。12年度分としては、都道府県分に政令指定都市分を加えた6754億円を予算に計上した。12年末の政権交代後、自民党はこの一括交付金を原則廃止するとし、13年度予算で各省の交付金等に戻した。これによって自治体からの各省への陳情が復活している。