2011年3月11日に東日本を襲った地震・大津波は、その被災地に膨大な量のがれきを発生させた。それには、コンクリート片、木材等の建材、プラスチック類、金属類、生ごみ(魚類、水産加工物等)、油類など、まさに現代経済社会を象徴する多種多様なものが含まれている。被災3県(岩手・宮城・福島)の発生がれき量は、災害廃棄物1802万トン、津波堆積物956万トン、合計2758万トンと推計された(環境省)。この処理は、被災地のみでは到底かなわないとみて、環境省は発災1週間後には他の都道府県にがれきの受け入れを要請している。さらに4月には各都道府県に「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理体制の構築に関する調査」を送付し、これに42都道府県の572市町村が年間293万トンの焼却、85万トンの破砕、110万トンの埋め立てが可能と答えた。だが、受け入れ自治体では住民の反対運動がおきるなどの問題に直面した。13年1月現在の環境省の調べでは、広域処理の受け入れは1都1府11県の58件にのぼっている。