2012年7月1日から施行された。「再生可能エネルギー」(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)による電力を電力会社が、一定の価格、一定の期間、買い取ることを義務付ける制度で、買取料金は電力利用者の電力料金に転嫁される。(1)エネルギーの自給率の引き上げ、(2)地球温暖化対策、(3)日本のエネルギー産業の育成、などを目的とする。EU諸国では、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、デンマークなどで既に導入されている。各企業が参入しているが、自治体も積極的に地域エネルギーの自給率の向上や、新産業の育成、温暖化対策の一環として計画が進んでいる。12年7月1日付の「朝日新聞」報道では、5月末の時点で46市町村の50カ所計385ヘクタールの公有地で、出力計約18万7000キロワットのメガソーラーが建設される計画がある。京都市の水垂(みずだれ)処分場跡地の8.9ヘクタールには、ソフトバンクの100%子会社「SBエナジー」など3社が4200キロワットの発電所を建設する。市が土地を無償貸与。京都市ではさらに鳥羽水環境保全センターに200世帯分の電力供給ができるメガソーラーを設ける。関西電力に年間3600万円で売電する。13年度中に稼働。また、同年8月8日付の「毎日新聞」の報道によると、岡山県真庭市は間伐材を燃料にした国内最大のバイオマス発電に乗り出す。同市は以前から製材クズを固めたペレットや間伐材を活用し、市内のエネルギーの1割を森林資源に頼るバイオマスの先進地である。官民共同出資で発電会社を設立、資本金は3億円、建設費に40億円。市内の一般世帯の消費電力を上回る1万キロワットを発電する。発電に必要な間伐材は年間16万トンで、真庭森林組合の年間取扱量に匹敵する。再生可能エネルギー固定価格買取制度が12年7月に始まったのを受けて、林業関係者の新たな収益源となる。