地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図るため行った、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正。2014年6月に制定公布され、15年4月から新制度に移行する。その主な内容は、教育行政の責任の明確化として教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者(新教育長)を置く、新教育長は教育委員会を代表する。任期3年で首長が議会同意を得て任命する。自治体の教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めるため、首長、教育委員会で構成される総合教育会議を設ける。国の関与の見直しとしては、児童生徒をめぐる事件の再発を防止するため、文部科学大臣の教育委員会への指示の範囲を広げた。戦後改革以来の教育の政治的中立性が損なわれないか危惧(きぐ)する見解もある。