2006年7月5日午前3時30分ころから同日午後にかけて、北朝鮮は日本海に向けて7発のミサイルを発射した。そのうち3発目は長距離ミサイルのテポドン2とみられたが、発射は失敗した。その他のミサイルは、皆かなりの精度で目標地点に到達したとみられる。これは、アメリカが北朝鮮との二国間交渉に応じないことに対する示威行為であったとみられるが、真意は不明である。日本政府は、北朝鮮がミサイル発射の準備をしていたことは事前に察知しており、発射と同日に直ちに9項目の制裁措置を発表した。さらに、日本政府はアメリカ政府などと国連安全保障理事会において北朝鮮を非難する決議の通過に向けて積極的な外交活動を繰り広げた。決議採択について当初慎重な態度をとっていた中国も、自らの北朝鮮への調停活動が思うように動かないことを受けて、文章上の修正を条件に決議採択に賛成した。その結果、北朝鮮を非難する決議は、国連安保理の全会一致で採択された。