1977年8月に東南アジアを歴訪した福田赳夫首相が、マニラで打ち出したベトナム戦争後の日本の東南アジア政策の方針。その骨子は、第一に日本の軍事大国化の否定であり、第二に広範な分野での「心と心の触れ合う相互信頼」の樹立、第三にASEAN各国の連帯性と強靱性強化への積極的協力とインドシナ3国との相互理解の醸成、ということであった。その後、ベトナムがカンボジア侵攻を行い、カンボジア紛争が長期化するに伴い、インドシナとの関係は停滞した。しかし、カンボジア内戦が終結し、インドシナ諸国がみなASEANに加盟するなか、福田ドクトリンの狙った外交目的は実現しつつある。