1972年9月29日に調印された日中両国の関係の原則を確認した政府間声明。両国はこの共同声明によって国交正常化を成し遂げた（それまで日本は台湾の「中華民国」との間に国交があった）。共同声明は、「不正常な状態」（前文、本文第1項）を終了させるという表現で両国の関係を正常化させた。今日まで何かと問題となる台湾についての日本の立場は、共同声明第2項で日本が「中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政権であることを承認する」とし、続いて第3項で「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」との中華人民共和国政府の立場を、日本が「理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と確認された。また、第5項で「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」と宣言した。戦争についての日本の認識としては、前文で「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」との表明がなされた。